ノリコのお布団で添い寝ブログ

ファンシーな煩悩のOLさん

ぼくのエリ200歳の少女

mixiにむかーし書いたレビューを転載します。


大まかなストーリーは、いじめられっこが隣に越してきた謎の少女と心を通わせるが実は彼女は12歳の姿のまま永遠の命で彷徨い続けるバンパイアだった…とゆー話であります。

でも文章にするとあんまおもしろそうじゃないんですよね。


(以下ネタバレ含む)

そもそもバンパイアってのはルーマニアが発祥らしいですね。
調べてみるとルーマニアって、ラテン系人種の方が多くてエリ役の子もラテン系な特徴の多い子役ちゃんでした。

舞台はスウェーデンスウェーデンは移民が社会問題になる程移民の多い国らしいですね。ルーマニアから流れ流れて冬のスウェーデンにたどり着いたバンパイアの少女と父親。
しかしこの父親が父親でないことは二人の会話からすぐに気が付けます。

友達もいない、片親家庭で暮らすネクラないじめられっこオスカー。毎夜、アパートの中庭で自分を苛める奴らへの復習を演じる孤独なオスカーは黒髪に薄着の不思議な少女エリと出会います。

幼い魂を持つ孤独な者同士が近づいて、離れて…また近づいて…という様は本当にロマンティックです。キャッチコピーが「バンパイア版小さな恋のメロディ」なのですが、正にそのキャッチコピーがしっくりくる切ない作品であります。

作中、オスカーがエリの裸体を見て驚くシーンがあります。
冒頭のエリが父親に暴言を吐いているシーンで既に気付くかもしれませんが、エリは実は男の子なんですよね。モザイクが入っているからよくわかりませんが、正確には去勢された元男の子なのです。

エリの父親は途中で死んでしまいます。すなわちバンパイアでは無いんです。エリを崇拝するようなその姿から、恐らく何十年も前にエリに魅了されてエリと共に旅をしている元少年なのでしょう。

ラストで、オスカーは死んだ元少年がおそらくそうだったようにエリへのノンジェンダーな愛情を頼りにエリと共に旅立ちます。


まぁ、ここまで読んだらもう見ても見なくてもいいや!って感じでしょうが、とりあえず久々にアタリな作品でした。