2014-12-30 冷たい雨の降る日に 世迷言 徒然 しま模様の傘、ロングコート。湿度が髪を巻き上げて不規則なカールとウエーブの並びを作る。こういう天気のときは荷物が多いことがよくある。大判の紙袋から飛び出す箱と箱。風が吹けば唇にまで湿った髪が纏わりつく、紙袋も箱もしずくが染みてドットになる。イヤフォンから流れているのは初めて聴く曲のような気がする。白いコードにも髪は絡まり、傘と頬の間で歩く速度に合わせてかさかさ揺れる。まだ開かない飲食店の窓が鏡のように映し出しているのはわたしではない。同じ格好の誰か。わたしと同じ格好の誰か。