ノリコのお布団で添い寝ブログ

ファンシーな煩悩のOLさん

世迷言

ep.2

堀では蓮の葉がにょきにょきと天に向かって手を伸ばしている。雨の降らない乾いた灰色の曇天に。わたしの聞いた話では、いくつかのローカル線を乗りついでその塔に辿り着くことが出来るらしい。そして聞いた話の通りに時間を掛けて足元まで近づくことのでき…

冷たい雨の降る日に

しま模様の傘、ロングコート。湿度が髪を巻き上げて不規則なカールとウエーブの並びを作る。こういう天気のときは荷物が多いことがよくある。大判の紙袋から飛び出す箱と箱。風が吹けば唇にまで湿った髪が纏わりつく、紙袋も箱もしずくが染みてドットになる…

ep.1

きっとこの世が終わる時ってこういう感じなのかなって思うよ。と、あの子は言った。これは2013年の12月31日のこと。わたしはあの子とホテルのベランダにいた。二人ともまだタバコを吸っていて、ベランダの灰皿の周りは黒々グレーの点々がたくさん落ちていた…