ノリコのお布団で添い寝ブログ

ファンシーな煩悩のOLさん

見えない敵と戦う

秋はとりわけ憂鬱だ。
誕生日が過ぎ、なにがしの書類に年齢を記載する欄があると自分が現在一体何歳なのか混乱してしまう。
去年は大真面目に23歳って書いてた。
グラビアアイドルなら年齢詐称で謝罪しなければいけないレベルだ。

ところで、わたしが使いがちな暗喩として「見えない敵と戦っている人」というのがある。
察しの良い方なら、だいたいどういう状態の方を指すのかお分かりいただけるだろう。まあ、一種独特な精神状態である。
わたしも心身共に具合の悪い時や、何もする気になれないときは「見えない敵が来てる」んだと信じている。

この、見えない敵は今のシーズンになると活発になる。ほぼ毎日来てくださる。
大概、何にもないこれまでの人生とか被害妄想だとかネガティブ妄想だとか。
そういうものと戦いながら秋の長雨にくせ毛は悩まされ、表参道のイチョウは裸になり、クリスマスシーズンになり、一年が終わる。

ああ、今年もなにもない一年が終わるな、と思う。そして30になっても40になっても50になっても、今年と同じようになにもない一年をこうして過ごして死んでいくんだとしみじみ感じる毎日。

追い打ちをかけるように今回は色々と悩ましい。いよいよ職場でも居場所を失い、挨拶しても無視されるというハードモード。
何かうまくいかないと、他で突然思いがけない何かがある。たしかにそういうこともある。
が、今回はなにもない。というか諸々ハードモードになってきた。

電車の中で週刊誌の吊り広告を見て、こじらせ女子という単語を見るたびビクつく。
しかし残念ながら「どうせ私なんて」という話を聞いてるふりをしてくれる相手すらいない。
もはやこじらせ女子ですら羨ましい。

無職の頃、水族館に行ったことがある。
イルカショーで、芸達者なイルカちゃん達がお姉さんの合図で飛んだり泳いだり。
涙ぐましいイルカちゃんの練習風景を想像したらわたしが泣いていた。

そして「っていうか…絶対今のわたしって、このイルカちゃんより生きてる価値が無い…」と悟って心底死にたくなった。
やがて、拍手喝采を浴びるイルカちゃんが羨ましくなった。ちょっと嫉妬。わたしも褒められたい。無職だけど…

イルカの生活を妄想して泣いて、死にたくなって、最後イルカに嫉妬とか。


完全にどうかしていたんじゃないかと思う。


今はどうだろうか。
国民の義務と思われる、勤労、納税は果たしている。
拙いながらもそれなりに社会を支える城壁の小石くらいには認めて貰っていいんじゃないか?
いや、基礎のコンクリに混ぜられた砂利とかでもいいや。



それっていくらでも代わりがいるってことなんだけどね。




秘密の話がしたい。