ノリコのお布団で添い寝ブログ

ファンシーな煩悩のOLさん

イノセント・ガーデン

美術が素晴らしいと聞いたので観てみました。
美術は素晴らしかった。色味も大変アンニュイな雰囲気を醸し出していて、子供の頃の未知に対する畏怖のような気持ちをフラッシュバックさせるような、そんな映像美。

映像と脚本との相互作用が物凄くよかった。
他者が突然生活環境に侵入してくる違和感や気味悪さを上手く描いている。
それが例え未知なるものでなくても気味の悪さはどうにも拭えない。

いつか出会っていた懐かしいものは愛しくて恐ろしい。
なんだか時代遅れの歌を耳にした時、背筋が凍る思いをしたことがあります。
子供の頃、両親が不仲で母の家出に付き合わされていました。
運転が恐ろしく下手な彼女の操るセダンの後部座席で聞いていた、カーステレオから流れるJ-POP。
カセットは何度も何度も同じ曲を聴かせる。
夕暮れの眩しいオレンジの大きな太陽が傾く時、わたしの眠気はいつもピークで。
彼女も家出も諦め自宅に戻る最中、相変わらず後部座席でうつらうつら船を漕いでいるわたし。
あー。また事故!
彼女はまだ運転資格を有しているのだろうか。
懐かしいものは恐ろしい。愛しくなるのはわたしにはまだ先みたいです。