ノリコのお布団で添い寝ブログ

ファンシーな煩悩のOLさん

加藤くんからのメッセージ

初日に観て参りました。
わたしの数少ないお友達が監督しておる、ということで、一度彼女のお宅で拝見させていただいておりましたが、映画館で観るとまたガラッと変わりますね。
この会場にいる人たちがこの映画に何を求めて観に来ているのか、そういったことを皆さんのリアクションから考えてみたりした次第であります。

こちらの作品はドキュメンタリーのため、あんまり書くとネタバレになってしまいますので、ちょっとだけ内容を。

早稲田大学卒業の契約社員加藤くんには夢があります。
その夢は、妖怪になること。
監督はこの加藤くんが早稲田大学ポエトリーリーディング(か演説か…判断に迷いますが)を行っている姿を見て、面白そうな人だ、と密着することにしました。
そんな加藤くんを約2年追いかけて撮られたドキュメンタリーです。

36にもなって、妖怪になるなんて途方も無い夢を各所で語り続ける加藤さんの姿はとても滑稽にも見えるし、笑われても決して妖怪になると言うことを止めない姿には親心のような心配を抱きかねないのですが。

加藤さんが妖怪を目指すことはブレない信念なのか、もう後には引けないということなのか、それとも他の可能性は…

人間は心に沢山の穴が開いているといいます。
作中の加藤さんはまさに穴だらけそのものの姿を私たちに見せてくれます。
その、埋まらない穴を埋める最適な方法は人の数だけあると思いますし、もちろんそれぞれの穴の数だけ埋め方もまたあると思います。
その穴からはマグマの如く、時折物凄いエネルギーが湧いてきます。
そういう、鬱屈した負のエネルギーをどこに使うべきか。
暗中模索の中で自分を見つめ、負のエネルギーを夢を叶えるエネルギーに変えてしまえる人はそうはいないと思います。
そんな中で加藤さんは過剰なほどの自己主張を続けて、夢に近づいてしまったように思えます。
この作品は、加藤さんそのものそうですが、加藤さんと関わる人々の証言もとても重要で、そこからまた加藤さんのカタチが浮き上がってくるところもとても面白いです。
まぁ、とにかく観ておいでよ。


余談ですが、初日公開後に監督及び加藤さんと映画にも出演されていた方やご友人の方々と朝までカラオケに行くという、かなりVIPなコースでしたが。
加藤さんはご友人の方々を筆頭に、人間が好きなんだなと思いました。
そして、みんなに愛されているなぁ、と。

少ししかお話し出来ませんでしたが、とても真摯に会話をする反面ちょっとズレてる感じもあって(…加藤さん万が一見てたらごめんなさい。)、みんなに叱咤されたり突っ込まれたり、でもみんなそんな加藤さんが好きなんだなと感じました。

「加藤さんはなんでもないただの人間であるというところを撮りたかった」と監督は何度も話していました。
それが加藤さんの求めるものと一致しているかはわかりません。
でも、わたしは確かに、なんでもない人間であることでの加藤さんの魅力が、そういう愛されているところに繋がっているのかなと思います。