ノリコのお布団で添い寝ブログ

ファンシーな煩悩のOLさん

ピノキオ

たまにピノキオのことを考える。ディズニーアニメでも有名なあれ。
わたしはこのストーリーって、普遍的で凄く重要なメッセージが込められたストーリーだと思っている。

いまさらどんな話だっけ、と言えば

年老いたおもちゃ屋のゼペットさん(恐らく天涯孤独の身)の作った木の操り人形に、妖精が命を吹き込む。
お目付役のコオロギ、ジミニークリケットと共に様々な冒険の果てにピノキオは人間の子供になることが出来、ゼペットじいさんも大喜びで大団円。

みたいな。

ディズニー作品って、リトルマーメイドにせよアラジンにせよ、アナ雪にもそうだけど主人公と一緒に冒険する動物(アナ雪は雪だるまだけど)がいがち。
ピノキオではコオロギのジミニークリケットがそのポジションなんだけど、妖精がピノキオに命を吹き込む時にジミニークリケットに言ったのは
「あなたはこの子の良心となりなさい」
ということ。

つまりピノキオは命を吹き込まれて意思ある人形となるけれど、善悪の区別の無い超絶純粋な状態であり、世の中にある諸々の誘惑や悪行に拐かされぬようジミニークリケットが彼を人間とすべく正しい道へ導かなければならない。

わたしはこのピノキオとジミニークリケットの関係こそ、まさに親子の関係そのものだと感じている。
性善説性悪説もあるけれど、何も分からないまま人間社会に産み落とされる何万何億のこどもたち。
社会の中で生活するにはルールも道徳観もそこに適したものになるべく近いかたちを理解しないととても生き難い。

それを認知させる第一歩はやはり教員でも社会そのものでもなく、親である。

人間は人間に育てられて初めて人間となる、と言うけれど、わたしも概ねこの意見には賛成で、この言葉をストーリーに落とし込んだものこそがピノキオだと感じているのだ。

たまにホントに、ギャグか?と思うような親子連れがいる。
学生時代ドラッグストアでバイトしてた時に、店員の間で有名な親子連れがいた。
口紅を見れば開けて床にお絵描き。
お菓子を見れば開けちゃう。
出禁されてもおかしくないレベルだと思うのだが、この子がどう見ても5歳くらいで連れの母親はその様子を見て叱らないどころか止めない。
業を煮やした社員が母親に物申したら
子供が勝手にやった。
子供のすることだから大目に見ろ。
代金?払いませんけど。
ある意味凄い。ここまでの大物もなかなかいないとは思うが、ファミレスなんか行くと移動動物園か!とツッコミたくなるような親子連れがたまにいたりする。
そしてその様子を見るたび、わたしはピノキオを思い出す。
この子にはジミニークリケットもいなけりゃ人間の親もいないのね、と思ってしまう。不憫で仕方ない。

しかし、善悪の区別のつかなかったピノキオもジミニークリケットの苦労の甲斐あって人間の子供となれるわけだし、これはある意味子育ての区切りと見なすことも出来るわけで、アレはやだコレもやだとか生意気なこと抜かしてイヤイヤ言ってる子供さんたちも、いつかはもうちょっと素直になったりするんだろう。

つまり、ピノキオって子供を持つ親御さん達や、いつか子供を持つことを検討している大人たちに一度は観て欲しい作品なんです。
逆に、親の苦労や愛情をそこから見出して自身のご両親に対する気持ちを見つめ直す作品でもあると思います。

暇なクリスマスにDVDでも借りてみるか、なんて気持ちになった際には候補に挙げて欲しいな。
でも、わたしは子供の頃100回近く観たから、もうお腹いっぱいなので遠慮しますけどね。