ちょっとだけの未来が提示されていた日の出来事
俗に悲しいとか頭にくるとか、そういう感情に陥ってしまうような突発的な出来事に遭遇すると、思考が鈍って自分の感情にたどり着けない。
それでも、何かを言葉にするのを躊躇しながら左手で右手の甲に延々と爪を立てていた。
涙だけが流れていた。
そういえばその日、手の甲を痣だらけにするその何時間か前、気まぐれに引いたオラクルカードに書かれていたのは「信頼」だった。
ビリージョエルは誠実さについて、なんて孤独な(虚しい)言葉だろうかと歌っていた。
自分が信用されていないと思うことは人をとても孤独にさせる。
目の前の他人に対して、わたしを信用してないのか?と問うことを咎める人はいない。
だけど責任転換ではある。
それは信用にはある程度根拠が必要で、でもその根拠を見つけられないあなたに非はありませんか?と説いているも同然だから。
そうか。
わたしは、信用しない・信頼しないという非を指摘され、信用も信頼も失墜する出来事を目の当たりにしたことに混乱していたんだ。
最後に、ビリージョエルは辛い結末を知るまで、安心に浸ってられるとも言っていたね。
わたしたちはこうして、心を冷やして年を重ねていくのかな。