ノリコのお布団で添い寝ブログ

ファンシーな煩悩のOLさん

kiss××××

バンドを題材にしたマンガって、いつになっても爆発的人気のジャンルとはならないけどいつの時代も一つ二つは連載されてたりしてなくなる事もないジャンルだったりする。

世代的には快感フレーズなんだろうけど、レディコミみたいで読めないから読んだ事ない。
あと、NANAも世代だし途中まで読んだけど、好きになれなかった。
近年だとけいおん!なのかな?
完全に乗り遅れたのでアニメもマンガも全く見てないけど、職場のおじさんはムギちゃん推しだと言ってたなあ。

で、古今東西時代に応じて細々と続く系譜なわけですが、たぶんわたしが唯一持ってるこのジャンルのマンガがある。

楠本まき「Kiss××××」である。

ゴスロリがポジティブパンクと呼ばれていた時代。…あ、わたしが幼稚園児頃かしら?の、バンドマン達と周囲の人々のゆるーい日常を描いた作品なんだけど。

その界隈ではカルト的人気のボーカル、カノンと彼女である美少女かめのちゃんが話の主軸になるんだけど、この二人が二人揃って天然極まりない。
周りの人々も物凄く普通なキャラクター。バンド活動してるシーンはかなり少ない。誰かしらの家族がよく出てくる。

と、「意外に普通」ってところがこのマンガを楽しむポイントなんだと思う。

でも初めて読んでからもう15年以上になるけど、今思えば結構哲学的だと思うんだ。
カノンのバンドであるディー・キュセは、それなりの人気があるインディーズバンドって設定なんだけど、このバンドのファン同士のいかにもな会話から読み取れる、偶像としてのバンドやカノンのイメージと、それとは真逆とも言えるような割と穏やかでまったりした彼らの日常。
そこを交差させずに描くことで
「カリスマ性って、相手が持ってるんじゃなくて自分で勝手に創り上げてるのかもよ?」
なんて風刺が挟まれているのかなと思ったり。

わたしの好きなエピソードの一つに、珍しくファンが主役の話がある。
中高生くらいの男の子と女の子の二人組で、ライブを通じて仲良くなったんだけど、二人ともカノンが好きすぎて自称同士だけどライバルという関係らしい。
二人はカノンに接触する計画を立てて、実行しようとするんだけど。
結局カノンとかめのちゃんが仲良くしているところを目撃してしまい撃沈して二人して泣き明かす、というちょっと可愛いエピソードである。
ラストのカットで、男の子がカノンにあげるべく編んだマフラーを二人で巻いて、手を繋いで帰る後ろ姿が描かれているんだけど、ある意味巣立ちというか青い鳥を見つけたような感じなんだろうなぁ。
でもわたしにとって、ここは素直に「うんうん。よかったねぇ。」と思いたいエピソードである。

マンガ喫茶にもなさそうだし、絵が好き嫌いあると思うんだけど、大人が読むと結構深い話があったりするから何かの機会があれば読んでみて損は無いと思うのです。


なお、かめのちゃんの可愛さは来世の参考にしたいと考えております。